セミ

梅雨の終わりごろからあちこちでまだ鳴いてないとか、出てくる順番がおかしいとか、いろいろ話題に上がってるけど、蝉にしてはいつも通りやってるつもりだと思う。
今年の気候がいつもと違っただけ。
さらにいうと、金魚椿なんかの騒動と同じく、普段の観察が足りないだけ。


蝉は普通、梅雨が終わって少しして、6月下旬に最初のセミが鳴き始める。ニイニイゼミとか。でも今年の梅雨は寒く、短かった。
で、梅雨明けしてすこしすると急に暑くなった。寒暖差はみんな記憶にあるはず。
たぶん、順番狂ったのはこの急な寒暖差が原因。セミも慌てただろうね。羽化するタイミングが順番じゃなくてほぼ同時になってしまった。
だから、本来先に鳴き始める種類のセミと前後して遅いセミも鳴き始めてしまった。
まぁ、羽化の条件なんて知らないからもうちょい別の理由とかあるかもしれないけど、そういう話だと思う。


鳴く条件も蝉によって違うらしい。つまり、同時に羽化してても、条件が違えば先に鳴き始めるはずのセミが鳴かない。
条件は主に気温と日照。
当然、条件に合わせて一日の中でも鳴く蝉が変わるわけで、毎年注意深く聞いていた人なら、突然泣き止む/泣き出すなんて夕立の関連でしってたりするだろうね。
雲が増えて暗くなると突然鳴き止む種類もいれば、雲の多い中で鳴き出す種類も居る。


今年は、ちょうど羽化の途中のタイミングで台風で飛ばされたセミも多くいたらしい。不憫な・・・。
普通は風の影の少ないところで羽化するらしいんだけど(たしかに、うちでは木の生い茂った中の草の裏とか樹の幹に抜け殻がある)都内だとそういう環境が少ないというわけ。
もしかしたら、そんなこんなで種類に偏りが出ていたりもするかもしれない。これは、さすがにわからないけれど。




原発事故以降、放射線の影の不安で自然観察する他人が増えているみたいで、興味をもつのは誠に結構なことでいい機会だと思うけど、不自然に思ったり、新しく気づいたことがあったら、是非調べてみてほしい。
体験からいろいろ推論して、仮説から調べて、情報がなければ樹分で検証して発見して、それが自分の知識になっていく。


それでも、想像が及ばないことなんて山ほどあるけどね。
【想定外】という言葉を使ったときは、その想いがどれほど広く、深く発揮できたか、もっと広く深くできなかったのかは考えないといけないと思う。
勿論、事後だからわかることと事前に予期できたかどうかも含めて。それもまた想像力。


推論に慣れて、知識が増えれば、世の中の大抵の事は想像できるはず。
原発事故だって、想像力の欠如が原因の一つだよ。地震でだって、想像力で助かった人はたくさんいる。
牛肉の汚染だって、知識と想像力でカバーできたはず。必要な所に必要な知識と想像力を持つ人がいれば。みんながそうなれれば。


酪農家の飼育実態と放射性物質の挙動の両方を知っている人がいれば、あの程度の内容なら、すぐに、事前に対策取れたはずなんだ。
酪農家には放射線に関する知識が足りなかったし(未だに理解せずに騒いでる人も多いから誰も責められないだろう)、そちらの知識がある人で、酪農家の飼育実態を事細かに知っている人はいなかった。
すくなくとも、情報交換できる立場の中には。
みんながそれぞれに知識を集めて、自分で推論して物事の答えを出してみる。
その習慣があった上での集合知は、世界を変える力があると思う。
けど、今みたいに他人の出した答えにただ乗っかるような状態では、集合知は役に立たない。
民主主義が上手く作用するには、この集合知が成り立つ状態じゃないと、
セミから話それたけど、考える習慣は大切だと思う。



で、調べてたら、こんなページがあった
参考になるかも
セミの家
セミが鳴かない2011年