障害飛越姿勢:鐙に立つ?前傾する?

なんとなく障害飛越姿勢について書こうかと
結構何度も言っていると思うけど、まとめて書いた覚えがなかったのでなんとなく書く気になった
良く、飛越時に鐙に立ってとか、前傾してみたいなこと言うのに対して、立つな、前傾しすぎるなみたいなことを言ってたりするんだけどその説明

まずは、障害飛越競技でそもそもの最初のブリティッシュ馬術においては、今の馬場馬術同様体を垂直に起こしての飛越が当たり前だった
これが崩れたのは、イタリアの馬術で前傾して随伴する方法を用いて、上位を奪われていったかららしいw

じゃあ、なんで前傾すると馬は飛びやすいのか?

大事なのは、前傾そのものでも立ち上がることでもなくて、人が馬の動きを邪魔しないことだけ
で、そういう意味でこの飛越姿勢がなんで有効なのかって言ったら

・鐙に体重をかけてそこでバランスを取ることで【膝】のクッションを最大限に利用できる。
これがひとつ。
自分が立つなっていうのは、この膝を伸ばしきって立ち上がっている人に対してで、障害飛越における【鐙に立つ】というのは上を目指すものじゃなくてこのクッションの柔軟性を高めるもの
で、上を目指さないというのが前傾に関連する

・馬が飛越するときに上半身の重さをできる限りかけない
これが前傾の意図で、上手い人の飛越、飛越の上手い馬の動きを見ているとよく分かる
大きな動きを持つのは地面に近い方、地面から離れている方ほど【高さが変わらない】
つまり、下の方は必要なだけ飛んでいるけど上の方はほとんど飛んでいないということ
ワールドカップ予選をヘルメットカメラで
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=kvDc1Y72nis
結構高い障害なので、飛越時の前傾が大きいから視線も下むいちゃってわかりにくいかもしれないけど、走行中、飛越中の視点の高さの変化が少ないことは見て取れると思う
他に、馬の自由飛越の動画とか、上手い人のでもあんまり高くない障害飛越の動画とか探してみると良い
ポイントは、馬の頭と人の上半身の【高さ】
これが飛越中もほとんど変わらない
特に、馬の自由飛越で上手な馬なんか、頭は地面と水平に、平行移動するように前に進みながら体全体を大きく使って飛越する
大きく使うんだけど、実際に高さが大きく変わっているのは【蹄】の部分で、背中や頭は必要最小限、低い障碍ならほとんど変わらない高さで推移する

これを、立とう、前傾しようという意識で飛越している人は、高さが変わる・ぶれるんだよね。
だから、馬がやりにくく感じる
馬が飛越するときは、上半身が沈み込むよう(自由落下するよう)に、着地する時は体を開いて着地の衝撃を受けられるようにするのがベスト
飛越している最中に膝伸ばしてしまったら、着地の衝撃が受けられないし、前傾しようと意識したら自由落下(=この状態にあるところの重さが0)じゃないから、どこかに力がかかっちゃってバランス崩してる
だから、馬が上がってくるだけ沈み込むように前傾する

というわけで、ここら意識して映像をよく見てみてください
きっと、飛越の随伴がうまくいかない人は意識が変わるはず
ちなみに、駈歩2ポイントも似たような感じ
もっと動きが小さくなるだけで、必要なだけ自由落下して、着地で膝のクッションを使うのくり返し
イメージイメージ