恐怖感

個人差はありますが、普段より高いところで大きな動きの中にいるため騎乗時に恐怖感を抱く人は少なくないと思います。
怖いから乗りたくない、楽しく乗りたいというのももっともな願いだと思います。
自分は幸い、今のところたいした落馬も怪我もせずにせずにすんでいますが、
特に、走られたり、落馬を経験されたりそれによって大怪我をされた方の恐怖は並ではないと思います。


でも、そこで少し考えてみてください。
精神的に不安を抱えている騎手に指示を仰がなければならない馬はどんな気分でしょうか?
そう、騎手が恐怖感を持てばもともと臆病な性質である馬は恐怖感を覚えてしまいます。
そういった中で、物音やちょっとした風やなにやらきっかけがあれば
馬はもう騎手のことなど考えて張られないでしょう。
その上、人が何かあることに構えていれば、力んでしまっていて柔らかな随伴は取れません。
指示出しやコミュニケーションに関しても雑になってしまいます。
そんな中で馬が動かないからその他の理由で拍車・鞭などを入れられれば当然、馬は跳ねたり走ったりするでしょう。
力んで、恐怖感の中、小さく小さく乗られてる最中に急に強くされれば逃れようとするのは必須です。


厳しいことを言えば自分のコントロールが出来なければ馬のコントロールは出来なくて当然といえます。
ですが、感情のコントロールは難しく、感情を抑えて行動するだけでも決して容易ではありません。
努力は大事ですが、いったん染み付いてしまった恐怖感を取り除くのは並大抵ではないでしょう。
ですが、まず自分の恐怖感が馬に影しているということをはっきりと頭に入れておくべきです。
技術的な方法論の前に頭に入れておくべきことだと思います。


ものを怖がらな過ぎたり、怖がりすぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむつかしい
寺田寅彦
てなわけで、次へ